SHIBUYA PIXEL ART 2019(シブヤピクセルアート2019)

結果発表

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最優秀賞 >>> 賞品はこちら

「生まれ変わる町」

@m7kenji

109など渋谷のランドマークに頼らず、渋谷のどこにでもある風景を自分なりに観察し、解釈し、再構築して「渋谷」という街を表現している。色数が2色しかないなかで観るものを虜にする表現力、そして、見え方が均一になりがちな高密度のドット絵を、コントラストで変化をつけ、矢印などで視線を誘導する点など、技術力の高さが伺える。まるでクラブイベントのフライヤーのような印刷を前提とした作り方や壁画のようなざらついた加工も新鮮で、「渋谷らしさ」が随所に演出されている。何より、こちらが提示したテーマに対して作家が誠実に向き合い、創作する真剣さに審査員一同心奪われた。

優秀賞 >>> 賞品はこちら

「渋谷迷宮」

@un_tako

絵全体の構成がよく考えられていて、渋谷の地下の複雑さがよく表されている。具体性を持ちながら、位置関係も明確に分かり、感覚的でありながら街を俯瞰的に描いている。記憶の中にある渋谷のモチーフと、指でたどりながら楽しめる「迷路」が現在の渋谷の「迷宮」のイメージを見事に表現しており、観る者を夢中にさせる。この絵はゲーム的でもあり、渋谷をうろついてから疲れて寝ると、こういう夢を見る気がする。

「SHIBUYA BOYS」「SHIBUYA GIRLS」

@yacoyon

背景の暗い色に対して人物の鮮やかな色の対比がキレイで、都会の背景にある図形が人物にも絡まる部分など、イラストレーションやグラフィックデザイン的要素が高い次元で表現されており、社会性や「現代の都会の空気感」が自然と伝わってくる。装飾的な部分においても、渋谷のグラフィティのようなニュアンスが含まれており、全体の雰囲気で「渋谷らしさ」や「渋谷の風」みたいなものが表現されている。絵そのものの素直さがとてもよかった。

「澁谷点描祭2019」

@ta2nb

これぞドット絵の真骨頂と言えるようなとにかく力作でドット絵のお手本のような作品。「妖怪」、「祭り」、「人」というテーマを網羅しながら、誰が見てもワクワクする不思議でオリジナリティのある渋谷を描き上げている。ドット絵としてのクオリティも非常に高く、渋谷の街の過去現在未来が凝縮されているようだ。

「にじいろ渋谷まつり」

@senboi49

オリジナリティが高く「人が笑顔になる」ドット絵作品。ドットの描き方は粗削りの部分もあるが、エフェクトでうまくカバーしている。数字の1、2、3など、直線や斜めに固くなりがちなドットを、ゆるく、やわらかく、温かく表現しており、ドット絵の描き方に慣れてしまうとなかなか描けない個性的な作品。狐のお祭りのモチーフも個性的でよかった。

「しっぽのある女の子」

@futinuro

作品のストーリー性も高く、荒いドットがこの絵柄の素朴さ、暖かさにとてもマッチしている。ドット絵は直線的で寒い作品になりがちだが、この作品は水彩画のようなタッチと色使いで、柔らかく、温かく、作品の物語や雰囲気がよく伝わってくる。

「SHIBUYA WARRIOR」

@casshern0724

アイロンビーズで作られたモチーフが、雑踏の街並みに溶け込んでいて、社会的なメッセージもしっかりと伝わってくる。センター街の背景をぼかすことで、光がドットのように見える点も含め、不思議な展開が魅力的だった。街のいたるところに、こんなストーリーを散りばめたい。

「うごくしぶぴ☆」

@waruusa69

批評性に食い込んだ作品やストレートな萌えを避けるような作品が多い中、単純にポップでかわいいイラストレーションであり、ある意味もっとも渋谷らしい作品だと言える。ぐねぐねに曲がった信号や脚の間にいる柴犬など、個々の要素もシュルレアリズム的(超現実主義的)で可愛い。人によっては好き嫌いが分かれる部分があるかもしれないが、そういうことにあえてあまり配慮しない発想が、この作品の個性を生み出している。

「渋谷A面 / B面」

@sawaaa_uwaaa

渋谷のランドマークに頼ることなく、共感できる渋谷らしさを工夫しながら表現している。標識の裏側のステッカーや落書きなど、この場所を探せば、見つけられるリアリティがその絵の魅力を高めている。また、信号が動き出すギミックやA面とB面の場面転換など、時間の移り変わりの中で、作家が描く心情に想いを馳せる。

「大火祭渋谷地獄」

@hattori2000

エネルギーに満ちた渋谷を妖怪の力を借りて独自の世界観で表現している。技術力もさることながら、このコミカルさが新しく、おどろかわいらしい。

「Yokai Festival」

@pixeleyebat

骸骨が印象的。日本伝来の妖怪など、作家自身の中にあるイメージを何かしらのオマージュとして昇華してよく描き込まれている。実際の金王八幡宮とは少し異なるものの、ドット絵として完成された作品。

「adidas Originals Flagship Store Tokyo」特別賞 >>> 賞品はこちら

「SHIBUYA BOYS」「SHIBUYA GIRLS」

@yacoyon

ストリートカルチャーの発信地、渋谷と原宿という地に相応しく、洗練されたファッションと移り行く都会のイメージをうまく表現している。
また背景にある夜景とその色調が、渋谷で佇む若者を「主役」として浮かび上がらせ、全体的なバランスと色づかいが、作家のセンスの高さを際立たせている。

部門賞 >>> 賞品はこちら

Limited Pixel Art賞 (4名)

制限された升目や少ない色数で、最も芸術性に富んだ作品。
(PIXOOで再現できる16×16ピクセルの作品)

「時代」

@samoe_dou

女子高生の流行りの変遷をひとりの人物で見事に表現し、誰もが渋谷の面影や時代の移り変わりを感じる。

「Scramble/Car」

@wh1fIXWvNNOh1u6

スクランブル交差点に行き交うさまざまな人や物を抽象化し、まるでモンドリアンの作品のように、シンプルで美しいアニメーションにまとめた作品。

「ハチ公のダンシングフィーバーナイト」

@BrvFlame

毎日カジュアルに楽しめるドット絵の手軽さ、敷居の低さなど、技術的にもシンプルなドット絵の魅力がすべての投稿に含まれている。

「泥田坊」

@eri.6761

はじめてパソコンで絵を描いたときの感動が垣間見え、Limited Pixel部門にも関わらず、常識にとらわれないことで制約から外れた自由な表現が魅力。7歳という年齢にも関わらず「泥田坊」というモチーフや色使いも絶妙。

Analog Pixel Art賞 (1名)

デジタル表現に留まらず、アナログで、最も意外性に富んだ1作品。
(彫刻、ペインティング、ドローイング、アイロンビーズ、刺繍、ブロックなどのアナログ作品)

「SHIBUYA WARRIOR」

@casshern0724

様々なカルチャーが「ストリート」から生まれる渋谷で、定着しつつある「ゴミ拾い」という文化を、「渋谷の戦士」として見事に表現している。アイロンビーズの清掃員は素朴でありながらも、強いメッセージが込められており、センター街で実際に撮られた背景に溶け込み一枚の絵として完成している。また、手前の地面の表情やアイロンビーズのテクスチャー、ネオンの滲みなど、表現が豊かで再現が難しいアナログの性質を活かし、「ストリート感」をも表現している。

Beyond Pixel Art賞 (1名)

表現手法に拘らず、「ピクセル」を再定義し、最も独創性に富んだ1作品。

「untitled」

@hin_since

デジタル表現である「ピクセル」をジャギーの輪郭線として用い、そこにスプレーを組み合わせた落書き(グラフィティ)を絵画として再構築した作品。デジタルとアナログを行き来しながら、渋谷らしい「遊び心」や「ストリート感」が随所に表現されており、これまでのPixel Artの枠組みを超え、Shibuya Pixel Artの発展とPixel Artの新たな可能性を期待させる。

参加賞(全員) >>> 賞品はこちら

2019年9月15日、16日に開催される「Shibuya Pixel Art 2019」の参加者スペースにて応募作品もしくは自身のピクセルアート作品をアピールすることができます。展示スペース1マス(h89×w89㎜)と名刺置き場を提供いたします。

参加方法は、下記の通りです。

特別審査員のコメント

特別審査員長:金山淳吾

今年のコンテストは、伝統芸能でいう「守破離」のように、「ピクセルアート」の定義やルールをどう打ち破っていくか、ということにチャレンジしているアーティストが多く、ものすごく面白かったです。これまでは型を「守る」ところがメインの戦場でしたが、それを「破り、去る」ような作品が多くて、審査も大変難しかったです。

最終審査会では、一緒に画面を拡大してじっくり観たり、しっかり検証することで、作品の中の小さな仕掛けやメタファー、そしてギミックなどに気づき、「ピクセルアート」の表現の奥深さを改めて痛感しました。「アート」はもっと感覚的に観るものだと思っていましたが、「制約」を逆手にとって巧い仕掛けを入れながら創作された「ピクセルアート」は、感じるだけではない魅力がたくさん詰まっていると改めて感心しました。

一般財団法人渋谷区観光協会 代表理事/一般社団法人渋谷未来デザイン 理事/EVERY DAY IS THE DAY クリエイティブ・ディレクター

1978年生。広告会社、音楽会社でのエンタテインメント事業開発を経てクリエイティブアトリエTNZQを設立。2016年より一般財団法人渋谷区観光協会の代表理事として渋谷区の観光戦略・事業を牽引し、渋谷区をステージに様々なプロジェクトをプロデュース。

特別審査員:渋谷員子

今回の審査員はアート寄りの方も多く、敢えて「クラッシックなドット絵」を選ぼうと思いました。特に、「ドット絵の温かさ」や「人を笑顔にする」作品が優秀賞に入って良かったと思います。やはりドット絵の魅力は、「年齢も性別も関係なく誰が見てもいいなぁ」と思えるところだと思います。ドット絵は、30年経っても打ち方は変わっていないですし、人の手によって作られる工芸作品みたいなところがあります。なので、芸術性が高くなくてはいけないとか、無理に直線で街並みを表現しなくてもよいと思います。観る人の立場に立った作品、そういう作品が今後も増えるとよいと思います。

株式会社スクウェア・エニックス
CGデザイナー/アートディレクター

『ファイナルファンタジー』シリーズではキャラタクターを中心としたドット絵の制作を担当。「ドットの匠」として広く知られ、その作品の数々で多くのファンを魅了している。

特別審査員:栗田穣崇

最終審査会では、審査員のそれぞれのバックグラウンドや嗜好に基づいた意見をお互い出し合うことで、一人で見ているときには気づかない見方や発見があり、とても刺激的で楽しかったです。

今回の作品全体を振り返ると、例えばお祭りやその熱気に対する「人工的な寂しさ」のような裏側の表現であったり、「渋谷」が好きだからこそ共感できる、ランドマークのような分かりやすさだけに頼ることのない「渋谷」が含まれる作品がすごく良かったと思います。

「ピクセルアート」は、制約が厳しくなればなるほど、どうしても表現の幅が狭くなってしまいます。だからこそ、その人ならではの個性の出し方が求められます。どういうモチーフにするか、どういう表現方法と色使いにするかなど、「制限の中で、いかに自分らしさを表現するか」を追求すれば、審査員の目にも留まりやすい作品になるかと思います。

株式会社ドワンゴ 取締役/カドカワ株式会社 取締役

NTTドコモでiモードや絵文字の企画・開発を行う。自身が手がけた絵文字は、2016年にニューヨーク近代美術館(NY MoMA)に永久収蔵された。現在はドワンゴでniconicoの運営代表として、さまざまなネットサービスやゲームをプロデュースしている。

特別審査員:岩渕貞哉

今回、初めて審査に参加させていただきました。審査をするなかで、「ピクセルアート」には、(絵画や彫刻と同じように)歴史的な積み重ねがあり、それを読み解く独自のリテラシーがあることがわかりました。そして、審査員のみなさんとの議論のなかで、「ピクセルアート」ならではの表現の高みが浮かび上がっていき、良い作品が選ばれていく過程が新鮮でした。

とくに最優秀の作品は、ユニークなアイデアにとどまらない、渋谷を批評的に表現する「コンセプト」がピクセルをあつかう高い技術とともに結実しているところが、その評価に値するものになっていたと思います。

『美術手帖』編集長

1975年横浜市生まれ。1999年慶応義塾大学経済学部卒業。2002年より『美術手帖』編集部に携わり、2008年から現職。美術出版社取締役。2017年、ウェブ版「美術手帖」をオープン。公募展の審査員やトークイベントの出演など、幅広い場面で現代のアートシーンに関わる。

特別審査員:豊井祐太

仕掛けや批評性に偏った作品が多い印象でしたが、そのうちの殆どは、想定したコンセプトに対して表現力が追いついていないように見受けられました。今回受賞した作品の殆どは、「やりたいこと」がしっかり定まっていて、かつそれを一定以上の水準で達成されている作品です。

僕は、人の作品を見ることを基本的に避けています。それは、人に持て囃されやすいタイプの作品を見て焦ったり、そもそも他人の作品にあまり興味が無かったりするからです。でも今回の審査を経て、思ったよりもしっかり考えられた作品があったり、作品を見る側もそれを見逃さなかったりして、(めちゃくちゃ上から目線のコメントではありますが)安心しました。

単一の文脈に依らない、様々な出自の作品が多かったのも印象的です。個々人に対する理想ではありませんが、この世にある作品というのは、多様であればあるほど良いと思っています。そういう意味で、今後どんな絵が出てくるか分からない楽しみがあると思いました。

イラストレーター

1990年生・福島県出身・高校中退。主に風景を題材にしたアニメーションGIFのドット絵を制作し、自サイトやSNSで公開している。収入はサイトで募集した複数のパトロンから得ている。

特別審査員:Zennyan

今回の最終審査会では、他の審査員の方々と観点を共有しながら話し合うことで、自分では見逃してしまうようなことに気づけたり、感覚的に良いと思ったものの理由が明確になったことが良かったです。

審査会でしゃべったことは今後全部自分に返ってくるので、作品を創るときも厳しい視点を持って挑もうと思いました。

作品について振り返ると、例えば小さい子供が描いたLimited Pixelの作品は自分にはなく、もう失ってしまった感覚だと思います。優秀賞はどれも自分以上に突き詰めている作品ばかりで、とても刺激を受けましたし僕も頑張ろうと思いました。

イラストレーター/ピクセルアーティスト/SPA2018最優秀者

1984年生まれ。千葉県出身。東京藝術大学美術研究科工芸専攻修了。日本の伝統工芸としての彫金を学んだ後、コンピューターゲームの制作過程や美観に魅せられ、ピクセルアート制作を開始。ゲームのキャラクターや背景、UI、アニメーション等の制作を行う傍ら、滑らかなデジタル表現の中に、アナログ絵画が持つ身体性や偶発性を取り込み、「ノイズ」や「グリッジ」などピクセルアートの新たな可能性を模索している。

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表彰式のご案内

日時:2019年6月22日(土)16時30分~18時30分 ※16時~受付

場所:カフェAre
(〒150-0002 東京都都渋谷区渋谷1丁目23−21 渋谷キャスト1F)

内容:「Shibuya Pixel Art 2019」授賞式&交流会

対象:コンテスト受賞者および参加者

参加方法:表彰式への参加をご希望の方は、shibuyapixelart@gmail.comまで、ご自身のTwitterまたはInstagramアカウント/氏名/メールアドレスをご連絡ください。

参加受付締切:6月19日(水)
※参加希望者が多い場合は、抽選となります。ご了承ください。

協賛

協力

後援

一般財団法人渋谷区観光協会